地球上の特定の日時/場所から見た星の配置を図に表したものがホロスコープチャートです。

1947年1月8日23時50分・ロンドンのホロスコープチャート。プラシダス・ハウスシステム採用。
外側の円は黄道=太陽の軌道です。30度づつ均等に12星座に分割されています。円の内側にいろいろな記号が見えますが、これらが太陽、月その他惑星などを表しています。チャートの中央の水平線が地平線を表すと考えてください。左側にASCの文字が見えます。ここが東(日の出位置)です。その逆側が右側が西(日没の位置)、MCが太陽の南中点です。
水平線より上半分が地上から見えている天空です。水平線より下側は地球の裏側に回っている部分です。つまりホロスコープ・チャートの上半分は実際にその日時に空を見上げたときの太陽や月、金星などの天体の位置をリアルに描き出しているものなのです。毎日太陽も月も東の地平線から昇り、南中して、西の地平線に沈んでいきます。同じようにように黄道12星座もまた東から上り南中して西に沈んでいくのです。このように諸天体は毎日時計回りに一周します。これが天文学で言う日周運動ですね。上の図の場合は夜23時のチャートなので太陽は地平線の下に沈んでおり、一方で月は南中しようとしています。
ホロスコープチャートは地上から見た空=天球を黄道(太陽と星座の通り道)に沿って平面的に切り出したものです。一部のホロスコープソフトウェアには天球全体を立体的に描画できる機能が備わっています。上のチャート例を立体的に描画すると次の図のようになります。

黄道12星座は地球からみた宇宙の目盛り(座標系)と考えてください。太陽や月をはじめとする天体は月日の推移とともにそれぞれの周期で円形の目盛り上を反時計回りに回転していきます。太陽が12星座を一周する周期は1年です。毎年春分の瞬間に牡羊座の0度を通過しこれを起点として夏至には蟹座、秋分には天秤座、冬至には山羊座を通過します。このように毎年規則的に牡羊座から魚座まで12星座を一周するのです(というか、太陽暦では太陽の周期をもとに"一年"という単位を定め、太陽の春分点通過をを3月21日と定めたのです)。また円形の目盛り自体=星座自体も約一か月で30度づつ=一星座づつ動いていきます。これらが天文学で言う年周運動です。
太陽と星座以外の天体を見てみると、月の周期は29・5日、つまり約一ヶ月をかけて一周します。遠い惑星ほど周期が長くなります。木星は約12年周期で約一年で一つの星座を通過します。このように木星は年の目安になることから中国で歳星と呼ばれています。土星は約30年で12星座を一周します。冥王星になると一周するのに実に249年かかります。
日づけと時刻毎に惑星がさまざまな位置関係を取ります。そして、あなたが生まれた瞬間の星の配置全体が、あなたの「持って生まれた星」です。出生時のチャートを一般に出生図(出生天宮図)、ネイタル・チャートもしくはラディックスと呼びます。人の性格を形作る三大要素が出生時の太陽星座と月星座およびアセンダントサイン(東の空に昇っている星座)ですが、これらの組み合わせだけで12の3乗=1728通りとなります。星全体でみればその組み合わせ通り数は文字通り“天文学的数字”になるでしょう。そしてまったく同じ配置は二度とおこりません。持って生まれた星の配置は交換不可能な一回性のかけがえのないものなのです。
ホロスコープチャートを見ると外側の円が道12星座に30度づつ均等に分割され、その内側がやや不均等に、やはり12に分割されています。これがハウス(室)です。
ハウス分割の起点となるのが東の地平線にある=上昇している星座(ASC)。上のチャート例では天秤座が東の地平線に上昇しています。ハウスシステムは上昇星座(ASC)を起点として
12のハウスそれぞれが「自我」「金銭」・・・「パートナーシップ」「社会的地位」などそれぞれのテーマを受け持っています。ちなみにhoroscopeという言葉は古代ギリシャ語のhoroskoposを語源としているのですが、これは「時の見張り」という意味で上昇星座を指す言葉でした。
ハウスをどのような計算によって区切るかについてはさまざまな議論があります。西洋占星術は主にローマ帝国〜ヨーロッパ中部など北半球の中緯度地帯で発達したものであるため、とくにハウスシステムについては高緯度地方や南半球では修正を要するケースがあります。北半球中緯度地域では年間を通じて天体は東から昇り西へ沈むので、昇る場所・沈む場所を基点に分割できるのですが、高緯度地域では季節によっては太陽が沈みません(白夜)。一般にハウスの分割法として中緯度地域で最もよく採用されているのがプラシダスですが、高緯度地方ではハウスのゆがみがおおきくなってしまいます。その点を改善したのがコッホハウスシステムで近年ではプラシダスにかわって広く採用されつつあります。中世に開発されたキャンパナス法はASCを第一ハウスの中心点として作図するもので他のシステムとは大きく分割法が異なったりします。ともかく日本でのチャートを出す際にはプラシダスでほぼ問題ないと思います。
上昇星座とハウスを割り出すためには出生時刻がはっきりしていなくてはならないのですが、出生時刻が不明な場合には太陽の入っている星座の始点を第一ハウスの始点として、以下星座とハウスを30度づつで割っていくソーラーハウスシステムという手法があります。これはこれで無意味ではなく、出生時刻が特定されている場合でも併せて検討すると良いとも言われています。なお雑誌やテレビなどの"12星座占い"は太陽星座とソーラーハウスを基準に読みだしています。
ホロスコープの中の惑星はそれぞれがさまざまな意味をもっています。そして星どおしの角度によって、良い面が発揮されたり、悪い面が発揮されるなどします。代表的な角度=メジャー・アスペクトは、2世紀に古代ローマで天動説の宇宙観を集大成したプトレマイオスが策定したもので、それが現在でもひろく採用されているのです。
もっとも調和的(イージー)とされている座相が、120度=トライン、次が60度=セクスタイル。
一方、不調和(ハード)とされている座相が90度=スクエア、180度=オポジション。
そして重なった状態・0度=コンジャクションは場合により調和か不調和に解釈がわかれます。
メジャー・アスペクトは12星座の分類が元になっています。同じエレメントどおしは120度、同じクオリティーどおしは90度もしくは180度となっているのです。
これら以外のマイナー・アスペクトと呼ばれる角度の多くは天文学者であると同時に占星術家でもあったヨハネス・ケプラーが策定したものです。その中でも150度=インコンジャクションは多くの占星術家がメジャー・アスペクトに格上げして採用していますが、これは不調和座相です。
昔は調和と不調和を吉か凶かで断定的にとらえていましたが、最近ではイージー=対処しやすい課題が与えられるか、それともハード=難しい課題が与えられるかというようにとらえ直すようになってきました。
チャート内の星のアスペクトを図表化したもの
天体どおしが角度をとりあう場合の特徴的なパターンがいくつかあります。代表的なものをいくつかとりあげてみましょう。
三つの天体が120度ごとに並んでいる場合、三角形を形作ります。これがグランドトライン。もっともラッキーな座相です。
四つの天体が90度ごとに並んでいる場合、180度を二つ含む十字型になります。これがグランドクロス。もっとも困難な運命を表す座相です。
三つの天体が150度-60度-150度でY字型をつくる座相があります。これをヨッドと呼びますが“神の指”という意味です。何らかの宿命的な逃れられない事柄を表します。
それぞれどのような事柄にラッキーがあるか、困難があるかはそのアスペクトのあらわれるハウスや天体によって変わってきます。
一般的なホロスコープチャートでは黄道を基準に平面上で星の配置を図示しているわけですが、地球の回転軸が傾いているために地球の赤道を天球に投影した天の赤道と黄道との間には角度にして南北方向それぞれ23度26分(23.4度)のブレがあります。夏至と冬至で太陽の高さが異なるのはこのブレのためです。つまり天体の軌道にはこのブレを含めた“厚み”があると考えてください。黄道12星座を運行する天体はそれぞれが時に応じて異なった傾き=デクリネーションをとるため、天体どうしが平行的な位置に来たり(傾きが一致する)、対極的な位置に来たり(逆方向に傾く)します。
平行な位置にある天体どおしを(言葉そのまま)パラレルと呼び、コンジャンクション(合)と同様の意味を採ります。対極的な位置にある天体どおしをコントラ・パラレルと呼び、オポジションと同じような意味を採ります。
太陽と土星以外の天体は23度26分を超える傾きをとる場合があり、これをアウトオブ・バウンズと呼び、その天体の意味が極端な形で発揮されると解釈します。これは占星術の歴史の中ではかなり新しい理論です・
一般的なホロスコープ・ソフトではデクリネーションを視覚的に表示する機能はなくとも、数字で表示されるとともに一覧表が表示されるようになっています。
二つのホロスコープを重ねた二重円はこのようになります。複数の日時のホロスコープを重ね合わせて多重表示することによってさまざまなテーマに対応します。相性にしても運勢にしても、相互の星が作るアスペクトや位置関係から読み取っていくのです。

人と人との相性を見る基本的な方法がシナストリー。二人の出生ホロスコープを二重に表示することでたがいの星の相互の影響を読む技法です。
運勢を見る基本的な方法としてトランジットがあります。出生時のホロスコープに現在の星の位置を重ねあわせることで現在の運勢の流れを読む技法です。
相性を見る技法には他にコンポジット=合成図があります。相性を見たい二人の星の度数をすべて足して二で割って合成します。夫婦や共同経営者など、ある意味で一心同体の運命共同体をつくりだす人の相性を見るための手法です。合成手法としては二人の出生年月日と出生地の緯度経度それぞれの中間値を採る手法もあります。
運勢を見る技法として他にプログレスやリターンチャートがあります。プログレスにはいくつかの手法があるのですが、基本的には出生時の星を規則的に動かした状態を○年後の状態として読みます。プログレスの代表的な手法は一日一年法=セカンダリ・ダイレクションです。この手法では生まれて30日目の星の配置が30才時の性格特性を示すと考えます。リターンチャートは、惑星が出生時の位置に戻って重なった時点のチャートを読む技法。たとえば毎年誕生日前後に起こるソーラーリターンチャートで誕生日以後一年を占います。
高機能なホロスコープソフトでは四重円、五重円まで表示でき応用が可能。上記ようなさまざまな技法によるチャートを重ねあわせて相互関係を読むことができます。例えば夫婦なり共同経営者それぞれのチャートを重ね(ここまで二重円)、さらにコンポジットチャーを重ね(ここまで三重円)、さらにトランジットチャートを重ねるなど(ここまで四重円)。